【大学院生が解説】世界一わかりやすい天井効果と床効果の解説

量的研究を扱った論文って難しいですよね。特に数学が苦手な人にとっては、なかなか苦痛だと思います。頭が爆発しそうになりながら読んでいるって方も多いと思います。

自分もはじめの頃は手も足も出ませんでした。でもこの記事を読めば他人に説明できるくらい、天井効果と床効果を理解することができます。

看護の博士課程前期のわたしが、自分の経験をもとに解説していきます。

スポンサーリンク

天井効果と床効果とは?

結論を先に言っちゃいます。

  • テストの点数が高い点数に偏ることでテストが意味ないものになることを天井効果
  • テストの点数が低い点数に偏ることでテストが意味ないものになることを床効果

といいます。わかりやすく説明するためにすこし数学の話をさせてください。

ガウスが発見した正規分布について

ちょっと脱線します。

「真の値Xをもつ量の観測を行うとき、偶然誤差のみが発生すると仮定すると、観測値は正規分布に従う」

byガウス(1777-1855年)

ちょっと、なに言っているかわかりませんね。

もうちょっとわかりやすく言い換えるとこんな感じ。

何かテストを行ったら、得点分布は次のようになるはずだ。

このグラフの特徴は3つあります。(数式はカット!)

  • 平均点を境に人数は左右対称になる
  • 平均点を取る人数のほうが、平均点より高い点数を取る人より多い
  • 平均点を取る人数のほうが、平均点より低い点数を取る人より多い

これを正規分布(normal distribution)と呼んでいます。

天井効果(Ceiling effect)ってなに?

具体例を出しましょう。

このテスト結果をみてどう思いますか?

テストが簡単すぎてみんな高い点数を取っちゃってますよね?

これじゃ生徒の成績付けられないですよね?

このようにみんな高い点数を取っていることでテストの意味がない状態のことを天井効果といいます。

床効果(floor effect)ってなに?

具体例を出しましょう。

このテスト結果をみてどう思いますか?

テストが難しすぎてみんな点数取れてないですよね?

これじゃ生徒の成績付けられないですよね?

このようにみんな低い点数を取っていることでテストの意味がない状態のことを床効果といいます。

看護論文では?

私が最近読んだ論文にはこんな感じで出てきました。

出典:The European Organization for Research and Treatment of Cancer QLQ-C30: A Quality-of-Life Instrument for Use in International Clinical Trials in Oncology

患者さんのQOLを測るにはどんなことを聞けばいいのか?を述べた論文です。

QOL測定の尺度はこれをもとに日本語版がたくさん作られているので、がんの研究をしたい方は読んでおくといいかもしれません。

この論文の367ページに注目してみます。

Score distributions were roughly symmetrical for the majority of the functioning scales.
訳)得点分布は機能スケールの項目の大部分ではほぼ対称でした。

これは分布が正規分布になっていることを記述していると、私は解釈しました。

The two exceptions were the cognitive and social functioning scales, which exhibited a positive skew (i.e., more patients scoring toward maximum functioning).
訳)2つの例外は、認知および社会的機能のスケールであり、肯定的な歪曲を示した。(すなわち、最大機能を表す点数に向けて得点する患者が多かった)

最大の点数に向けて点数を付けた患者が多かった…つまり天井効果がみられた、と述べていますね。

表を見てみると、天井効果が確かめられます。

数学的な話に深入りしませんが、

平均値+SDが最大得点を上回ってしまう=天井効果

としている教科書が多いです。

この表では、

Roleの項目が57.3+38.6=95.9、Cognitiveの項目が83.6+20.5=103.1 (最大得点は100点)

となり結構高い値を示しちゃってます。

蛇足

この表を見てみると、認知機能と社会的機能のクロンバックα係数が0.55前後となっており、内的整合性に関してイマイチですね。

クロンバックって何のことじゃ!!!という方は以下の記事を覗いてみてください。
→(作成中)

関連記事

因子分析については記事を書きました。よかったら読んでみてください。

他にも解説記事を書いています。

疑似相関について書いた記事はこれ

この記事の内容は以上です。

引用元、参考サイト

1、京都大学の授業資料と思われるPDF

http://cogpsy.educ.kyoto-u.ac.jp/personal/Kusumi/datasem09/tuchiya.pdf

2、使った論文(the european organization for research and treatment of cancer qlq-c30)

Please Wait... | Cloudflare

おすすめの本

統計にまつわる誤解を扱った本。

公衆衛生の教授が書いているので、看護師の方には特におすすめ。

そもそもなんで統計って必要なのかを論じた本

記事は以上になります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました