【看護師が解説】因果関係とは?わかりやすく解説

「因果関係を意味しない」とか「因果関係という言葉は注意して使うべき」って聞いたことがあると思います。だけれどもなんでそれが大事なのか、なぜ注意しなければならないのか、ということはよくわからないという方は多いのではないでしょうか。

そこで大学院で統計を用いた英語論文と格闘している私がわかりやすく解説していきます。

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因果関係とはなんなのか?

結論から書きます。

因果関係とは「2つの事柄が原因と結果の関係になっていること」であり、「原因と結果の方向が決まっている」こと

例を出していきます。これらは因果関係が確かめられているものです。

  • ステロイドを投薬することで炎症が改善した
  • アルコール依存症、タバコの喫煙 、糖尿病 、心不全の患者さんは肺炎にもなりやすい
  • リハビリをすると退院と社会復帰が早くなる

なぜ因果関係に注意が必要なのか

なぜならば、

注意しないと簡単に騙されるからです

まずは極端な例を見てみましょう。

「アイスクリームが売れた日は溺れる人が増える」というデータがあるので、アイスクリームの販売を中止すべきだ

「高血圧の人は高収入である」というデータがあるので、収入を増やす方法は高血圧になることだ

この主張、間違ってますよね

ということは

〇〇が増えると△△も増えるというデータから原因と結果の関係を導いてはダメ

ということがわかります。

少し入り組んだ話は以下の記事で説明しています。

因果関係にまつわる身近な例

もうちょっと身近な例を見てみましょう。

みなさんはテロメアってご存知でしょうか。

細胞の染色体という遺伝情報に関わる端っこにある構造で、加齢により短くなっていくことがわかっています。テロメアを伸ばすことで寿命を伸ばそうという試みがたくさん行われています。

しかし、ここで大事なのは、

加齢に伴いテロメアが短くなることはわかっているが、
「テロメアが短くなることが原因になって寿命が短くなるという結果が導かれること」
は、はっきりとは確認されていない

ということです。

もしかしたら、ストレスや病気などの原因があって、その結果テロメアが短くなり、寿命も短くなるということが真実かもしれません

実際、テロメアの長さによって残りの寿命は予測できないという論文も出ています。

Predicting Survival from Telomere Length versus Conventional Predictors: A Multinational Population-Based Cohort Study
Telomere length has generated substantial interest as a potential predictor of aging-related diseases and mortality. Some studies have reported significant asso

まだはっきりしたことはわかっていないのです。このように因果関係を正しく把握していないと間違った解釈をしてしまうケースが多くあるのです。

つまり、因果関係は簡単には導けないということですね。

このようなことを知らなかったら…

もしかしたら「ここにテロメアを伸ばせる薬があるよ」という言葉に簡単に騙されてしまうかもしれません。

もしかしたら相手を騙せてしまうかもしれないのです。

こういうものに騙されないようにするためには「エビデンス」(科学的根拠)について正しく理解する必要があります。詳しくは以下の記事にて。

執筆が終わったらリンクここに挿入

因果関係について、他の方はどう説明しているのか

「統計学は最強の学問である」という名著を例にしてみましょう。
お持ちの方がいましたら、58ページを開いてください。

筆者である西内さんはビジネスでデータを活用する際に、

1、なんの要因が変化すれば売上が上がるのか?
2、そうした変化を起こすような行動は実現可能なのか?
3、2で述べた行動が可能なら、行動で得られた利益はコストを上回るのか?

という問いが重要だと論じています。

その上で市場のデータをいくらもっていても上記の問に対して吟味しなければ宝の持ち腐れであると説いています。

この1番ってこれまで説明してきた因果関係そのものですよね

こんなふうに因果関係は医療だけでなく、ビジネスでも使えるのです。

まとめ

情報を読み取るための大事な視点をまとめます。

  • 因果関係とは「2つの事柄が原因と結果の関係になっていること」であり、「原因と結果の方向が決まっている」こと
  • 〇〇が増えると△△も増えるというデータから原因と結果の関係を導いてはダメ
  • 情報の発信者は因果関係がないにも関わらず、因果関係があるように情報発信ができる

以上を踏まえて情報を吟味できるといいですね。

さらに勉強したい方へ

統計学や統計リテラシーについて学ぶと良いと思います。「統計学が最強の学問である」という本は、数式をできるだけ使わずに説明しているので、文系の方にもおすすめです。

レビュー記事を置いておきます。

この記事の内容は以上です。

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